a-ho-bo

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動くと景色は変わる──飛行機から降りると、路地の角を曲がると、料理がおいしいと、階段を4段上がると、自転車を家の前に止めると、布団に入ると、楽しいことも悲しいこともいろいろなことを思い浮かべて心が動くと、景色は変わる。目を閉じていても景色は変わる。a-ho-boの1stカセット作品はまさに、そんな景色を変える、AとBに分かれた音と言葉とイマジネーションによる動きの調べ。脱線3リーダー、スチャダラパー3本目のマイクなどなど、さまざまなユニットへの参加やコラボに加えて、2018年はひさびさとなるソロ・アルバム『Scrappin』をリリースしたロボ宙、CINEMA dub MONKSを主宰し、現代サーカス・プロジェクト、仕立て屋のサーカスなどの活動で知られる曽我大穂、そしてHIFANAなどを手がけるサウンド・エンジニア、URBAN (Potato Studio)の3人によるプロジェクト、a-ho-bo。浮き出るアイディアの創造的な掛け流しスタイルでロボ宙の言葉が切り取り、切り貼りする日常と非日常。曽我が操るパーカッションにカセット・テープから聞こえる足音、フルート、アヴァン・エレクトロニクスに篠笛、ブレイクビーツ、ときにはブラジルのカバキーニョ、そこから生み出されるアンビエント、ダブ、エレクトロ、ロック、ヒップホップ、ノイズたちが集まった未分化なサウンド……こうして生成されたサウンドをURBANがまとめあげる。言葉と音、背景と主題へと相互に入れ替わりながら、日常を支配するノスタルジーから未知の気づきの間を絶妙な塩梅の濃淡でミックスが進む、イマジネーションが動いて、景色を変えていく。段ボールの宇宙船の窓から見える内なるコスモロジー、目の前に広がる空と夢の道、夜の酒場、友と歩く街の香りまでを行き来するAとBの40分。ここにしかない、どこにもいかない、景色が変わる、ちらりと見えるチルな余裕とスリルが垣間見える音楽の不思議が詰まったカセットテープ作品。

文 河村祐介

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